ローン媒介業の法規制

ローン媒介に関する法規制

ローン媒介とは法律用語では「金銭の貸借の媒介」と言います。
融資の仲介、斡旋を、事業として行うには「貸金業登録」が必要です。
無登録で、ローン媒介を行うと、10年以下の懲役3,000万円以下の罰金(法人は1億円以下)という厳しい罰則が科されます。
当社は、一般社団法人日本住宅ローン診断士協会提携貸金業者である株式会社トービルの貸金業代理店として登録しており、法令遵守体制が完備されております。
  
貸金業法(条文一部抜粋)
第2条(定義) 貸金業」とは、金銭の貸付け又は金銭の貸借の媒介業として行うものをいう。
第3条(登録)  貸金業を営もうとする者は、(省略)内閣総理大臣又は(省略)都道府県知事の登録を受けなければならない。
第4条(無登録営業等の禁止) (貸金業の)登録を受けない者は、貸金業を営んではならない。
第47条(罰則)
(無登録)は、10年以下の懲役若しくは3,000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
法人の場合、罰金は1億円以下(法第51条)

      

ローン媒介業務とは?

ローン媒介(金銭の貸借の媒介)とは、他人が金銭の貸付けまたは借受けを行うに際し、この消費貸借契約の成立に尽力する一切の行為新貸金業規制法第二版参照)を指します。

契約の成立に尽力する行為とは、
 ・契約締結の勧誘 
 ・勧誘を目的とした商品説明
などの行為を指し、しかも、契約の成立の有無は問わず、且つ、報酬の有無も問わずその行為を行った時点で媒介行為となります(銀行法第2条第14項(定義)関係金融庁の考え方及び最高裁判例参照)。
※ローンコンサルティングプレイヤーの中には「報酬を受領しなければ、法令違反にならない」と勘違いされている方もおりますが、報酬の有無は問われません。例えば、「住宅ローンの助言や媒介業務は無報酬で行い、その代わりに生命保険を販売する」といった場合も、貸金業登録がなければ、ローン媒介を行うことはできません。

 

 

銀行代理業との違い

銀行代理業と貸金業に基づくローン媒介の違いは、「誰の為にローンの媒介を行うのか?」によって、どちらの登録が必要となるかが分かれます。
銀行代理業に基づく媒介 銀行のために行う媒介業務
貸金業に基づく媒介 顧客のために行う媒介業務
 「誰の為に」行う媒介業務なのか?について、「誰からの依頼で行うのか?」「誰から費用を貰うのか?」という点が最もわかり易い判定方法かと思います。
 
銀行代理業は銀行から依頼を受け、銀行代理業を営み、銀行から費用を受領します。
一方、貸金業に基づく媒介は、顧客から依頼を受け、顧客から費用を受領します。
 
 

どこからが媒介業務となるか?①

顧客の為に、ローン媒介を事業として行っているプレイヤーは全国に多数存在します。
しかし、無登録で行っているプレイヤーがほとんどであり、違法行為が平然と行われております。
まず、どこまでの業務が貸金業の登録が不要で、どこからの業務が貸金業の登録が必要となるか?についてを説明します。
 
一般的に専門家がローンコンサルティングをする場合、ライフプラン等の収入・支出の見直しや、資産・負債の見直し等を行い、最適なローンを顧客に提案します。
この時、顧客に対し、具体的な銀行名ローン商品名明示した場合、ローン媒介業務となります。
それ以外には、契約書の記入方法や具体的な商品内容説明ローン媒介業務になります。
顧客を代理して、銀行とローン条件の交渉を行う等はもっての他です(貸金業登録がなければ違法行為)。
あくまで無登録で行うことができるのは、具体的な銀行名やローン商品名は顧客に明示せず、「A銀行」の「B商品」等という一般論に留めなければなりません。
  
  

どこからが媒介業務となるか?②

よくローンの「取次業務」と称して、実質的なローン媒介業務を無登録で行うプレイヤーがおりますので、注意が必要です。
(金融庁パブリックコメント 銀行法関係)
一般に、単なる契約申込書の誤記・記入漏れ、必要書類の添付漏れの指摘等であれば銀行代理業に該当しませんが、これを超えて、契約書申込書の記載内容の確認等まで行なう場合は、銀行代理店業の許可が必要となることがあります
 
と金融庁は回答しております。
貸金業に基づく媒介もこれと同じ見解です。
→平成27年12月1日付「一般法令照会手続)において、金融庁が「金銭の貸借の媒介」に関する見解を示しました。
※下記の参照ください。
金融庁における一般的な法令解釈に係る書面照会手続(回答書)
 
住宅ローン相談や取次と称して、具体的に金融機関を紹介したり、提案する行為はローン媒介業務となります。
※無登録業者に注意して下さい。
  
  

登録業者と無登録業者の違いは?

両者が明らかにに違う点として、まず契約書等があります。
貸金業登録している正規業者は、貸金業法その他の法令に基づき、
 
・犯罪収益移転防止法に基づく取引時確認及び記録保存義務
・個人信用情報取扱いに関する同意
・個人信用情報の照会及び登録義務
・貸金業法第16条書面(ローン媒介に関する事前説明書)の交付
・貸金業法第17条書面(ローン媒介の契約書)の交付
・貸金業法第18条書面(受取証書)の交付
・契約書の返却義務
・交渉履歴等の記録保存義務
・各種法定帳簿等の記録保存義務
・事務所内への媒介条件表等の掲示義務
・監督官庁への住所、電話番号、ホームページアドレス等の届出義務
・社員証等の携帯義務
・監督官庁による監査(違法行為があれば業務停止・改善命令)
 
など、非常に厳格な書面交付や説明義務及び法定帳簿の整備等の義務が課されます。 
無登録業者はこのような書面交付や説明をしませんので、注意が必要です。

 

次に違う点として、貸金業登録には国家資格保有者を置く等の人的要件があります。
  
・貸金業務取扱主任者の設置(50人に1人)
・融資業務に1年以上経験した者を設置(代理店の場合)
 
貸金業法では、実務やコンプライアンス等の管理や監督する者を設置する義務を課しております。
無登録業者はこのような者を設置しておりませんので、顧客にとって損害を与えるような違法行為が行われるリスクがあります。
  
なお、当社が法人会員として加盟している一般社団法人日本住宅ローン診断士協会の場合、協会提携の貸金業登録企業の代理店となる要件として、上記の貸金業法上の人的要件に加え、一定の教育を受けた住宅ローン診断士の設置を義務付けております。
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